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2018年5月26日 (土)

北海道新幹線高速化計画

 平成28年に北海道新幹線が開業し、本州と北海道が新幹線で結ばれました。そのこと自体は良かったのですが、青函トンネル内では貨物列車との擦れ違いの際に事故が起こる可能性があるとして、140km/hに速度が制限されていて、東京から新函館北斗まで4時間を切れない一因にもなっています。折角の新幹線なのですから、できるだけ速く走らせないと勿体ないでしょう。そもそも、高速で貨物列車とすれ違った場合、本当に事故につながるのか、どの程度の速度まで安全なのかなど、基本的な所が押さえられないまま、何となく危なそうだから減速しておこうという判断のようで現行のやり方自体大いに問題含みだとは思いますが、それを言っても仕方がないので、対策を考えてみましょう。

 

 まず考えられるのが、在来線規格の貨物列車を車両ごと新幹線規格の車両に搭載してしまう、トレイン、オン、トレインです。新幹線開業前から開発が進められていることが報道されており、本命のように思えます。しかし、開業から2年が経過しますが、このごろはとんと話を聞きません。開発主体だったJR北海道は安全問題を抱えて存続の危機に陥っており、折角開発した新型特急用気動車を廃車にしてしまうなど、前向きの施策は全くできない状態になっているので、恐らく事実上開発中止になっているのでしょう。それではいくら待っても前へは進みません。もっとも、200km/h程度の速度を計画しているようなので、完成しても効果は限定的です。また、在来線の車両より新幹線の車両は大きいといっても、それほど大きな差があるわけではないので、在来線車両を搭載した上で新幹線並みの速度で走るというのは、ちょっと無理があるように思えます。

 

 やはり、本命になるのは貨物用新幹線ではないでしょうか。基本的に現在の貨物はほぼコンテナなので、コンテナ専用の貨物電車を開発して、新幹線区間を可能な限り速く、できれば300km/h程度で走らせるのが良いでしょう。貨物電車は在来線ではすでに実用化されていますので、技術的ハードルは高くないと思われます。

 課題になるのは在来線と新幹線の間のコンテナの積み替えでしょう。積み替えであまり時間をロスすると、折角新幹線で高速走行する意味がなくなります。従って、函館と青森に設置する積み替え基地は可能な限り機械化、自動化を行って、短時間での積み替えを実現することが重要です。また、施設整備には相当の資金が必要になりますから、国が整備して使用料で償還するか、経済の活性化やCO2の削減、少子高齢化対策などを目的に、運用経費のみの負担で使用させることでも良いと思います。これから少子高齢化の進展による人手不足の深刻化が見込まれ、効率の悪いトラック輸送は維持困難になることは確実ですから、そうなる前に鉄道に転換させることは国策として実施することが必要でしょう。

 

 将来北海道新幹線が札幌まで延伸された暁には、単線で良いので札幌貨物ターミナルまで線路を伸ばして、そこに積み替え基地を作れば良いでしょう。300km/hで走れば函館まで1時間で行きますから、トラック輸送より圧倒的に速く、必要人員が圧倒的に少ないということになります。

 

 日本海側経由西日本方面行の貨物列車は青森で積み替える必要がありますが、東京方面行の貨物列車は、そのまま東北新幹線を走れば一段と大きな速達効果が期待できます。東北新幹線は、大宮-東京間を上越、北陸新幹線と共用している関係で、大宮以北の線路容量には余裕があります。だから埼玉県内の新幹線沿線に貨物基地を作って、そこまで貨物新幹線で走って、そこから関東各地に配送するようにすれば効率的です。新青森-大宮は700km弱ですから、300km/hで走れば2時間ちょっとで走れます。札幌から直通するようになれば、札幌から4時間あれば埼玉の貨物基地に着くことになります。ひょっとすると航空貨物を使うより速いかもしれません。もし需要が十分に見込めるのなら、仙台あたりにも貨物基地を作っても良いでしょう。

 

 これが成功したら次は東海道です。中央リニア新幹線ができれば東海道新幹線の線路容量に余裕ができますから、神奈川県内と大阪府内、必要なら愛知県内に貨物基地を作って、こちらにも新幹線貨物列車を走らせます。大阪には、中国、四国、九州地方との間の貨物のために、在来線との積み替え基地も作ると良いでしょう。山陽新幹線の線路容量に余裕があれば、岡山、広島ないし福岡まで直通運転しても構いません。東海道筋は貨物輸送量も多いので、新幹線貨物への転換によって大幅な人員削減が期待できますから、相当な労働力人口減少に対応できるようになるでしょう。速達性が高まって物流が効率化される上に、人口減少による経済の縮小を緩和できますから、経済効果は相当大きなものが期待できます。

 

 話が広がり過ぎましたが、こうすれば大きな問題もなく北海道新幹線の速度を上げ、時間短縮を実現することができます。新幹線用の貨物電車の開発は、トレインオントレインの開発よりはるかに容易で、短期間でできると思われます。貨物積み替え基地の建設にはそれなりの費用が必要ですが、同じ公共投資でも、国土強靭化のために建設する堤防などはそれ自体は1円の経済価値も生まないのに対して、こちらは間違いなく多大な経済価値を生み出しますから、同じ公共投資ならこちらの方が経済活性化の上で有用だし、そこから生み出された経済価値の中から償還することも可能です。ぜひ、速やかに実現して貰いたいものです。

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