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2018年4月 8日 (日)

北海道新幹線札幌駅大東案について

 北海道新幹線札幌駅ホーム位置が、現駅から大きく東側に外れた大東案で合意されました。元々、現在の在来線1、2番線を改築して新幹線ホームにするという前提で事業が進められてきていたわけですが、JR北海道が突然難色を示し、西案、東案、地下案と次々提案しては却下され、最終的に最も現在の駅から遠くなる大東案でなぜか関係者が合意するという結末になりました。

 これはずいぶん乗り換えが不便ですね。在来線との乗り換えは300m程度の距離になると報道されていますが、例えば新幹線の先頭から在来線の最後尾に乗り換えなければならなかった場合は、軽く500mは越えるんじゃないでしょうか。しかも途中狭い通路に集中しますから、普通に歩ければ間に合う乗り継ぎも、実際には間に合わなくなるパターンがかなり出そうです。また、新幹線側にも新たな改札口を作るでしょうが、所詮は裏口で、地下鉄も、商業施設も、主要な施設は全て在来線側の改札の方にありますから、多くの人は、新幹線ホームを端まで歩いて、連絡通路を長々と歩いて、在来線ホームを歩いて、コンコースに出て、やっと改札にたどりつくということになります。しかも、地下鉄に乗り継ごうと思えば、在来線の改札から地下鉄までは結構距離があって、それが加わります。正直これでは新幹線を積極的に利用しようという気にはなれませんね。

 元々、札幌駅は高架化された時に地下鉄との乗り継ぎは不便になりました。旧駅では、地下通路をまっすぐ進めば地下改札があって、ちょっと距離はありましたが、地下鉄まで概ね真直ぐつながっていました。それが、高架化する際に全体に北側に移動して、地下鉄からの距離がさらに遠くなりました。構造も良くなくて、それまでは南北に改札があったものを東西に移したため、例えば1番線の場合、それまでは真直ぐ移動できたものが、一旦逆方向に北上して、向きを変えて改札を抜けて、また向きを変えて元来た方向に戻る形で地下鉄に向かうようになってしまいました。それでも、この時は空いた南側のスペースは将来新幹線のホームを作るためのスペースということで納得感はあったのですが、そこに商業ビルを建ててしまい、どうするのかと思えばずっと遠くに孤立したホームを作るとか、訳が分かりません。

 どういう状態になるか、関東地方の方は武蔵小杉駅の南武線と横須賀線のホームをイメージしてもらうと丁度良いのではないでしょうか。横須賀線のホームから本来の改札を出ようと思うと、ホームの端まで行って連絡通路を延々と歩いて、さらに南武線のホームを歩いてから改札に向かうようになっているので、かなり似た状態だと思います。連絡通路も狭くて通りにくいですが、南武線ホーム上では、電車を待つ乗客とホームを通過しようとする乗客が押し合いへし合いすることになって、非常に身動きが取り辛い状況が生じています。まあ、そこまで人が密集することにはならないかもしれませんが、新幹線の乗客は大きな荷物を抱えた人が多数になるので、むしろもっとひどい状態になるかもしれません。
 逆の位置関係になりますが、京都駅の新幹線と山陰線の乗り継ぎが近いイメージかもしれませんね。新幹線から山陰線に乗り継ごうとして、余りにも遠くて往生した人は少なくないのではないでしょうか。
 古い時代を知っている人は、昔の青森駅の連絡船との乗り継ぎをイメージすると近いかもしれませんね。連絡船に乗るために、荷物を振りかざしてホームを走る乗客。しかし、かつての青森駅と違って、そのホームには別の列車に乗降する人たちが交錯しているので、その混乱は上回るかもしれません。

 元の認可案の在来線ホームの改築では、新幹線のコンコースを作るために商業スペースが削られてしまうので、それを避けるためにJR北海道は誰が見てもおかしな案を次々繰り出して来たようですね。JR北海道にしてみれば、所詮は赤字の新幹線より、確実に黒字を生み出してくれる商業施設の方が大事なのは、自己の存在意義を全面否定していることに目をつぶれば、理解できないこともありません。しかし、北海道や札幌市は何故合意したのか。
 東京駅では、東北新幹線のホームを増設するために、中央線のホームを一段上に移設して、増設スペースを生み出しました。札幌駅も上の空間は空いているのですから、在来線ホームの上に新幹線ホームを作れば良いのではないでしょうか。まあ、コストは増加するでしょうから、数年の内にも手持ち資金が枯渇する可能性が高いと言われているJR北海道には、僅かな資金でも追加支出するのは難しいのかもしれません。でも、大東案に変更するために生じる追加費用数十億円は負担するということで、どこにそんな資金があるのかと思います。大体、そんな余分な支出をすれば、心証を害してこれ以上経営支援の追加をしてもらえなくなるかもしれないとは考えなかったのでしょうか。そればかりか、駅近隣の再開発に名乗りを上げたとか。そのための資金の手当てはどうするのか。何だかどこまで考えて動いているのか、疑問を感じてしまいます。

 遠い所にホームを作るくらいなら、新幹線はどうせ1時間に1本程度の運転でしょうから、新幹線ホームは1面1線だけにしてしまっても足りるんじゃないでしょうか。大東案でホームを作ろうとしている場所に引き上げ線を作って、そこで折り返しのための整備をするようにすれば、ホームは1線でも十分賄えそうです。別に新幹線専用のコンコースとかなくても、困らないんじゃないでしょうか。乗客が増えて捌ききれなくなってきたら、一段上にホームを新設することもできますしね。

 何にしても、今回の大東案の絵は無様で醜悪です。まるで、ホームの端っこに付け足したホームから発着していた、今は亡き赤字ローカル線を見るようです。まあ、北海道新幹線は赤字ローカル線なんですけれどね。JR北海道にしてみれば、並行在来線を廃止しても、差引赤字が増えるだけのお荷物なんですよね。その割に熱心に取り組んでいる部分もあって、ちぐはぐなんですけれど。

 

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