『江差線・並行在来線区間 三セク鉄道、赤字100億円 新幹線開通30年後予測』
道と函館市、北斗市、渡島管内木古内町でつくる「道南地域並行在来線対策協議会」は七日、北海道新幹線の新函館-新青森間の開業(二〇一五年度予定)に伴い、JRから経営分離される江差線の木古内-函館・五稜郭間(約三十八キロ)の将来収支予測をまとめた。第三セクター鉄道として存続させた場合、開業初年度から赤字に陥り、三十年後には累積赤字が百億円を超える計算で、同協議会は「鉄道存続には、膨大な財政負担や経費削減策が必要だ」と結論づけた。
鉄道運営の需要予測では、開業年の輸送密度(一キロ当たりの一日平均輸送人員)は六百六十六人だが、三十年後には人口減などから、三百五人に減少するとした。
道や沿線自治体などが初期投資の全額を負担した場合でも、初年度から営業赤字で、三十年後の累積赤字は約百十七億円に上る見込みだ。
ただ、収支改善策として《1》運賃を30%値上げ《2》道などが鉄道施設を購入、管理-などの対策を講じると、三セク自体の累積赤字は二十一億円に圧縮できる、としている。
一方、バス転換した場合、所要時間の増加や、定時運行が難しくなるなどの課題が生じるものの、初期投資の四億-五億円を道などが全額負担すれば、三十年後の累積赤字は十二億-二十五億円程度にとどまる見通し。
(以上、北海道新聞のサイトから引用:元記事 ⇒ 江差線・並行在来線区間 三セク鉄道、赤字100億円 新幹線開通30年後予測 )
少し長く引用しましたが、結論としては鉄道の存続は無理と言いたいのでしょう。もっともバス化した場合の予測の前提が書かれていないので不明ですが、一般に鉄道をバス転換した場合乗客は半分程度に減りますので、それを見込んだ試算ではないのが普通ですから、バス転換した場合の赤字はこの予測を大きく上回ることでしょう。
しかし、国鉄時代に地方交通線の廃止が進められたころの江差線(木古内-江差間を含む)の輸送密度は2474人。よくもまあ減ったものです。当時天北線(急行天北分を除く)の輸送密度が600人でしたから、あの道北の不毛の大地(地元の方、失礼)と同じくらいの乗客しか乗っていないという、俄かには信じがたい現状のようで、とても維持できる水準ではないでしょう。
ただ、なぜ30年の予測をするのかというのが不審ですね。かの北海道ちほく高原鉄道(国鉄池北線時代の輸送密度943人)でさえ17年しかもたなかったのに、30年を予測するのはナンセンスと言えるでしょう。累積赤字額を大きく見せて、絶望感を高めるためにわざと無意味に期間を長くしたのではと、うがった見方をしてしまいます。
貨物輸送ができなくなるのでバス転換は問題があるとの記述もありましたが、どうせ青函トンネル内では新幹線と同じ線路を共用しなければならないのですから、新函館からずっと共用すれば済むことです。貨物列車を列車ごと新幹線規格の台車に載せて、新幹線並の速度で走らせる研究も行われているといいますから、貨物輸送の問題は解決の可能性があります。
ただ、江差線は電化されており、高速走行が可能な規格に改善されています。現在ローカル列車は電化前と同じディーゼル車両が使われていますが、高性能電車に置き換えて、自動車ではまねできない高速運転をすれば、競争力が出て乗客を一定数呼び戻せるかもしれません。多分そうした可能性は検討されていないでしょうから、まだ赤字幅を我慢できる範囲に抑える方法はあるかもしれません。あまり安易に結論は出さない方が良いと思います。
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